この比較表の見方
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ここでは、契約分野を中心にリーガルテック市場で頻繁に名前が挙がる主要10社を取り上げます。比較軸は「上場区分」「主力領域」「主要サービス」「主な対象」という事実項目のみとし、機能の優劣や満足度といった主観的な評価は含めていません。数値情報(導入社数や料金など)は、各社公式サイトで確認できたものに限って本文中に記載し、確認できなかったものは「公式サイト参照」としています。
掲載順は五十音・アルファベット順に準じた便宜的な並びであり、規模や評価による順位付けではありません。各社の詳しいプロフィールは表の下に300〜500字程度でまとめています。企業名のリンクは各社公式サイトへの通常リンクで、アフィリエイトリンクではありません。
比較にあたっては「上場区分」「主力領域」「主要サービス」「主な対象」という4つの列を用意しました。上場区分は情報開示の透明性を推し量る目安として、主力領域と主要サービスはそのプレイヤーが何を専門にしているかを把握するために、主な対象は自社の規模や立場に照らして候補になり得るかを判断するために設けています。
【比較表】リーガルテック主要プレイヤー10社
| 企業名 | 上場区分 | 主力領域 | 主要サービス | 主な対象 |
|---|---|---|---|---|
| 弁護士ドットコム株式会社 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード6027) | 相談マッチング・契約 | 弁護士ドットコム、クラウドサイン、税理士ドットコム、BUSINESS LAWYERS | 個人、法律事務所、企業 |
| 株式会社LegalOn Technologies | 非上場 | 契約(AIレビュー・管理) | LegalOn Cloud、CorporateOn、DocumentOn | 企業法務部門 |
| GVA TECH株式会社 | 非上場 | 契約(AIレビュー)・登記 | GVA assist、AI-CON Pro、GVA法人登記 | 企業法務部門、法律事務所 |
| 株式会社Hubble | 非上場 | 契約(作成・管理) | Hubble、Hubble mini、Contract Flow Agent、OneNDA | 企業法務部門 |
| MNTSQ株式会社 | 非上場 | 契約(データベース・CLM) | MNTSQ CLM(案件管理・契約管理・データベース・AI契約アシスタント) | 企業法務部門 |
| Sansan株式会社(Contract One) | 東京証券取引所プライム市場(証券コード4443) | 契約(AI契約データベース) | Contract One | 営業部門・法務部門 |
| GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード3788) | 契約(電子契約・電子認証) | 電子印鑑GMOサイン、GlobalSign | 全業種 |
| freee株式会社 | 東京証券取引所グロース市場(証券コード4478) | バックオフィス全般(契約含む) | freee会計、freee人事労務、freee受発注、freee会社設立ほか | 中小企業・個人事業主 |
| 株式会社マネーフォワード | 東京証券取引所プライム市場(証券コード3994) | バックオフィス全般(契約含む) | マネーフォワード クラウド会計、クラウド契約、クラウド給与ほか | 中小企業〜上場企業 |
| 株式会社アシロ | 東京証券取引所グロース市場(証券コード7378) | 相談マッチング | ベンナビ、弁護士保険(アシロ少額短期保険) | 個人、法律事務所 |
2026年9月時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。最新情報は各社サイトで確認してください。
プレイヤー別プロフィール
弁護士ドットコム株式会社
2005年7月設立、東京都港区に本社を置き、東京証券取引所プライム市場に上場する企業です(証券コード6027)。個人向けの法律相談ポータル「弁護士ドットコム」を中核に、電子契約サービス「クラウドサイン」、税務相談ポータル「税理士ドットコム」、企業法務従事者向けメディア「BUSINESS LAWYERS」、法律ニュースメディア「弁護士ドットコムニュース」など、相談マッチングと契約の両領域にまたがってサービスを展開しています。公式サイトによれば従業員数は連結734名(2026年6月末時点)で、法律相談ポータルから出発した企業が、電子契約という契約領域の主要プレイヤーにもなった代表例といえます。グループには弁護士保険を扱うミカタ少額短期保険株式会社も含まれており、相談・契約・保険という3つの入口を持つ点が、他の9社にはない構成です。
株式会社LegalOn Technologies
2017年4月設立、東京都渋谷区に本社を置く非上場企業です。AI契約審査サービス「LegalForce」を起点に、現在は契約書の審査・管理を含む法務全般をカバーするAIプラットフォーム「LegalOn Cloud」を主力とし、AI法務アシスタント「CorporateOn」、書類審査AI「DocumentOn」を展開しています。公式サイトによれば、2025年10月に年間経常収益(ARR)100億円を突破し、2026年8月時点でグローバルの有償導入社数は9,000社を超えています。契約審査業務の効率化を目的とした導入が企業法務部門を中心に進んでおり、資本金(資本準備金含む)は201億5,000万円と、非上場のリーガルテック企業としては大規模な資金調達を行っている点も特徴です。
GVA TECH株式会社
契約書のAIレビューサービスを開発・提供する非上場のリーガルテック企業です。公式サイトでは、法務部門向けのAI契約書レビュー支援「GVA assist」、エンタープライズ向けの「AI-CON Pro」、会社設立や役員変更などの登記書類作成を支援する「GVA法人登記」(旧AI-CON登記)が主要サービスとして案内されています。契約領域と登記領域の両方にサービスを持つ点が、契約領域に特化した他のスタートアップとの違いです。設立年や本社所在地、導入社数などの詳細は公式サイト参照としています。
株式会社Hubble
東京都渋谷区に本社を置く非上場企業で、契約書の作成・審査依頼から締結後の管理までを一気通貫で扱う契約業務・管理クラウド「Hubble」を提供しています。「Hubble」には契約AIエージェント「Contract Flow Agent」が実装されており、契約書の「管理」に特化した「Hubble mini」、秘密保持契約書の統一を目指すコンソーシアム型プロジェクト「OneNDA」も展開しています。公式サイトでは継続契約率99%という数値が掲げられており、電子帳簿保存法対応のJIIMA認証やISOの情報セキュリティ認証を取得している点も公表されています。設立年は公式サイト参照としています。
MNTSQ株式会社
東京都中央区晴海に本社を置く非上場企業です。主力製品「MNTSQ CLM」は、案件の進行を管理する「案件管理」、締結後の契約を管理する「契約管理」、契約データを一元管理する「データベース」に加えて、「AI契約アシスタント」「AI Agent」で構成され、契約の作成・審査・管理からナレッジ化までを一気通貫で支援する設計です。契約情報を全社で集約し、事業戦略や業務の高度化に生かすことを掲げている点が、契約審査の効率化を前面に出す他社との位置づけの違いです。
Sansan株式会社(Contract One)
名刺管理サービスで知られるSansan株式会社(2007年6月設立、東京都渋谷区)が提供する契約データベース「Contract One」です。紙・電子を問わず契約書をデータ化し、公式サイトではデータ化精度99%という数値が掲げられています。クラウドサイン、電子印鑑GMOサイン、DocuSign、Adobe Acrobat Signといった主要な電子契約サービスと連携し、紙と電子が混在する契約書を一元的に管理・検索できる点を特徴としています。電子帳簿保存法対応のJIIMA認証を取得しており、2027年4月適用開始の新リース会計基準への対応機能も案内されています。Sansan株式会社は2007年6月設立で、東京証券取引所プライム市場に上場しています(証券コード4443)。
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
GMOインターネットグループに属し、東京証券取引所プライム市場に上場しています(証券コード3788)。電子証明書ブランド「GlobalSign」による電子認証・印鑑事業を主力とし、クラウド型電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」を提供しています。契約印タイプ(立会人型)と実印タイプ(当事者型)の双方に対応している点が特徴です。
freee株式会社
2012年7月設立、東京都品川区に本社を置き、東京証券取引所グロース市場に上場しています(証券コード4478)。統合型クラウド経営プラットフォームを提供する企業で、「freee会計」「freee人事労務」を中核に、電子契約の「freeeサイン」、「freee会社設立」「freee支出管理」「freee請求書」など幅広いバックオフィス業務をカバーしており、契約関連の機能もこの全体像の中に位置づけられています。中小企業・個人事業主からの利用が中心です。
株式会社マネーフォワード
2012年5月設立、東京都港区に本社を置き、東京証券取引所プライム市場に上場しています(証券コード3994。2017年9月マザーズ上場、2021年6月市場第一部、2022年4月プライム市場へ移行)。「お金を前へ。人生をもっと前へ。」を掲げ、法人・個人向けに複数のクラウドサービスを展開しています。法人向けには、クラウド型会計ソフトを中核に、請求書管理、給与計算、電子契約、人事労務などのサービス群を提供しており、個別ツールに加えてBPO(業務代行)サービスも展開する点が特徴です。
株式会社アシロ
2009年11月創業・2016年4月設立、東京都新宿区に本社を置き、2021年7月に東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)に上場しました(証券コード7378)。弁護士・法律事務所の集客支援と法律相談者向けのポータル「ベンナビ」シリーズ(離婚、交通事故、相続、労働問題など分野特化型サイトを2023年2月に「弁護士ナビ」から改称・統合)を主力事業とし、2022年に子会社化した少額短期保険会社(同年9月にアシロ少額短期保険株式会社へ商号変更)を通じて弁護士保険事業も手がけています。公式サイトによれば従業員数は連結127名(2025年10月時点)です。相談マッチング領域の詳細は法律相談ポータル比較、弁護士保険事業の詳細は弁護士保険比較で扱っています。
10社を3つの層に分けて読む
表を上から順に読むだけでは、企業ごとの違いが見えにくいかもしれません。そこで10社を「上場企業」「非上場の専業スタートアップ」「バックオフィス総合型」という3つの層に分けて読み直すと、それぞれの立ち位置が整理しやすくなります。上場企業の層には弁護士ドットコム、GMOグローバルサイン・ホールディングス、freee、マネーフォワード、アシロが入ります。いずれも有価証券報告書や決算説明資料を通じて事業規模や収益構造を確認できるため、取引先としての継続性を重視する企業法務部門にとっては判断材料を集めやすい層です。
非上場の専業スタートアップの層には、LegalOn Technologies、GVA TECH、Hubble、MNTSQが入ります。この4社に共通するのは、契約という一つの領域に経営資源を集中させている点です。AI契約審査、契約書管理、契約データベース、CLMといった機能の切り口はそれぞれ異なりますが、いずれも法務部門の業務フローそのものを製品に落とし込んでいるため、導入の際は自社の契約業務のどの工程を変えたいのかを明確にしておくと、各社の資料を読み比べやすくなります。料金は個別見積もりの形が多く、公式サイトに料金表を掲載していない企業もあるため、当サイトでは料金の数値を掲載していません。
バックオフィス総合型の層には、freeeとマネーフォワードが入ります。この2社は会計・人事労務・請求書といったバックオフィス業務全般を一つのプラットフォームで扱い、その中の一機能として電子契約や登記支援を提供しています。契約業務だけを切り出して比較すると専業各社ほど機能が深くない場合がありますが、既に会計や給与計算で同じプラットフォームを使っている企業にとっては、データ連携や操作体系の共通性が導入の後押しになることがあります。Sansan(Contract One)は名刺管理から契約データベースへ事業を広げた企業で、この3層のどれにも収まりきらない独自の位置づけといえます。
比較表を読むときの注意点
この表は、あくまで各社の公式情報から確認できる事実を横並びにしたものであり、どのサービスが優れているかを示すものではありません。同じ「契約」領域に分類されていても、対象とする企業規模や、AIレビューと契約管理のどちらに重心を置いているかは会社ごとに異なります。実際の導入を検討する際は、自社が今抱えている課題が「契約書を作る」「審査する」「締結する」「管理する」のどの工程にあるのかを明確にしたうえで、各社に資料請求や問い合わせを行うことをおすすめします。
料金体系や無料プランの有無は変更されることが多い情報のため、当サイトでは掲載を最小限にとどめています。最新の料金は必ず各社公式サイトでご確認ください。士業事務所向けの判例検索や案件管理ツールについては士業向けツール比較で別途扱っています。
なお、リーガルテックサービスの利用が弁護士法上の非弁行為にあたらないかという論点は、業界団体である日本弁護士連合会も継続的に議論しており、サービス選定の際は各社がどのような整理のもとで提供しているかを確認しておくと安心です。あわせて、比較検討の段階では複数社の無料資料やデモを取り寄せ、自社の契約フローに実際に当てはめてみることをおすすめします。
